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2018年度税制改正大綱-電子申告の義務化

2018年度税制改正大綱では、一定規模以上の法人に対してe-Taxによる申告書の提出を義務付ける内容の改正が含まれています。

投資法人や特定目的会社など、不動産投資ビークルとして用いられている法人についても、e-Taxによる申告書の提出が義務付けられることになります。

(1) e-Taxによる法人税等申告の義務化

資本金または出資金が1億円超である内国法人、相互会社、投資法人(J-REIT)および特定目的会社については、2020年4月1日以後に開始する事業年度について、e-Taxによる法人税、地方税および消費税の申告書の提供が義務付けられます。

この改正により電子申告が義務付けられる法人は、改正後は、電気通信回線の故障や災害等の理由により電子申告ができないため書面により申告書を提出することについて税務署長の承認を受けている場合を除き、書面による申告書を提出していたとしても無申告として取り扱われることとなります。

無申告とされる場合であっても、期限内に申告書の主要な部分が電子的に提出されていれば無申告加算税は課さない取扱にするとされています。ただし、「主要な部分」の範囲については今後明確化される見込みです。

(2) e-Taxによる支払調書提出義務対象者の拡大

現在、その年の前々年に提出すべきであった支払調書の枚数が1000枚以上(法定調書の種類ごとに判定します)である場合、その1000枚以上となった種類の支払調書についてはe-Taxまたは光ディスクによる提出が義務付けられていますが、この基準となる枚数が1000枚から、100枚に引き下げられます。

このため、例えば従業員数が100名前後(本店のみと仮定)の法人についても、給与所得の源泉徴収票についてe-Taxまたは光ディスクによる提出が義務とされるかを検討する必要が生じてきます。

当該改正は2021年1月1日以後に提出すべき支払調書等に適用されます。

(3) 年末調整時に提出する書類の電子化の促進

現在、年末調整の際に従業員各人が記入・作成する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」などは、給与を支払う勤務先の法人が所轄税務署からの事前承認を受けていることを要件に電磁的方法による提出が認められています。

しかし現行法制上、銀行や保険会社から各人へ送られてくる住宅ローンの残高証明書や保険料控除証明書については電子媒体で勤務先の法人に提出することは認められていないため、紙で提出する必要があります。

2018年度税制改正大綱では、紙での提出が必要とされていたこれら住宅ローン控除証明書や保険料控除証明書についても、銀行や保険会社の電子署名が付されている等の一定の条件のもと電子データにより提供することを認めることとしています。この改正により、年末調整のペーパーレス化が促進されることになります。

なお、2年目以降の住宅ローン控除の適用を年末調整により行う際に必要となる税務署から交付される住宅ローン控除申告書についても、同様にい電子媒体での提出が認められるようになります。

上記の改正は、2020年10月1日以後に提出するものについて適用されます。

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例年、改正法案が国会に提出された後税制改正の内容が3月末を目途に確定いたしますが、場合によっては内容に変更がある可能性もありますのでご留意ください。

※この記事は、投稿日現在の日本の税法に基づく一般的な税法上の取扱いを記載したものです。

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